パニック障害
パニック障害について
パニック障害の生涯有病率は1.5~3%であり、パニック発作が3~4%、女性は男性に比べて2~3倍この障害を呈しやすいといわれます。
日本では、パニック障害は、かつては「心臓神経症」や「不安神経症」として取り扱われていました。
神経伝達物質の中の「セロトニン」と「ノルアドレナリン」のバランスが乱れることにより発症すると考えられています。
臨床症状
「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」という3つの特徴的な症候があります。
パニック発作
「パニック発作」では、これらの症状が何の前ぶれもなく突然起こり、多くの場合10分以内でピークに達し、通常30分以内でおさまります。
胸がドキドキする、冷汗をかく、身体や手足の震え、呼吸が早くなる、息苦しい、胸の痛みや不快感吐き気、腹部の嫌な感じ、めまい、頭が軽くなる、ふらつき、非現実感、自分が自分でない感じ、おかしくなってしまう、狂うという心配、死の恐怖、しびれ、換気、ほてりなど。
予期不安
「予期不安」とは、パニック発作を一度経験して、あの恐ろしい発作がまた起きるのではないかという不安感が生じることです。
パニック発作にはこの予期不安が必ず伴い、発作を繰り返すごとにこの不安がさらに強くなっていき症状を悪化させていきます。
広場恐怖
「広場恐怖」とは、「広場」を恐がるという意味ではなく、パニック発作を経験した人が「特定の場所や状況」を避けるようになることです。
発作が起きたときにすぐに助けを求められなかったり、逃げ出せないような場所を避けるようになります。
例えば、電車やバス(特に急行など停車間隔の長いもの)、人ごみ、 地下道、 高速道路、高架橋(車の運転の場合)、美容院、歯科などです。