統合失調症
統合失調症について
一般人口における発症率は、約1%前後です。
発病年齢は、 思春期が多く、大多数が30歳以前に発症します。
日本での1963年の実態調査では、有病率に男女差はみられていません。
臨床的特徴
①妄想
- 「妄想気分」
- 周囲の世界がなんとなく変わった、無気味だ。すべての出来事が意味ありげだ……。
- 「妄想知覚」
- 次第に、意味ありげに感じられていたそれぞれの事象に特別の意味があると分かったと、物事に異常な意味意識をする。
- 例「犬が吠えたのは、私に不幸が起こるのを教えている」
- 被害妄想
- 迫害妄想
- 関係妄想
- 自分に関係がないことを関係があるように感じる。
- 注察妄想
- 知らない人が自分をじろじろ見ている
- 被毒妄想
- 食物の味が変だ、誰かが毒を入れた
- つきもの妄想
- 動物や霊が憑いている
- 誇大妄想
②思考の異常
- 滅裂思考
- 話の文脈のまとまりがなくなり、顕著になると内容がばらばらで何を言っているか理解できなくなる。
- 思考途絶
- 思考の進行が急にブレーキをかけられたように停止する
- 言語新作
- 自分勝手に新しい語を作る
③幻覚
- 幻聴
- 最も定型的な幻聴は”話しかけと応答の形(対話形式)”の幻聴。
- 考想化声
- 自分で頭の中で考えていると、その考えが同時に他人の声になって聴こえる。
④幻視
- 体感幻覚
- 「誰かが自分の体に電気をかけている、いたずらをしている」
- 「脳みそが流れ出す」
- 「皮膚の下の血管が動く」
⑤自我障害
- 自我と外界が不鮮明になり、自分が考え行動するという自我の能動性がうすれ、”自分で考えているのではなく、考えさせられている。自分は操り人形のように他人の意思のままに行動させられている”という「させられ体験」になります。
- “自分が頭の中で考えている事が相手に分かってしまう”
- “自分の考えが周囲に知られている”
- “他者に考えを吹き込まれる”
- “自分の考えを抜き取られる”
⑥意欲・行動の障害
- 能動性の低下
- 感情の鈍麻とともに、能動性・自発性の低下が起こり、1日中、生産的な事はせず退屈を感じない(無為)状態になる。
- 独語
- 空笑